お茶染めとは


製造工程で出る商品にならない部分の茶葉を染料として使用しています。

煮出した後の茶殻は堆肥として加工し畑へ。

モダンな色合いと型染めによる使いやすいデザインも勿論のこと、先人の知恵と伝統技術を応用し

どこまでも価値をつけ続けるものづくりがお茶染め最大の特徴です。

 

染色方法をレシピ化し伝えていく活動を中心に、学校のカリキュラムやワークショップ、

商品制作から作品づくりなど、多くの人と関わりながら多方面からお茶染め文化の創出を目指しています。

 

 

染料は捨てられてしまう茶葉を使用。

 

 

 

 

製造工程で出るフワ・ケバ・クキ・コナなどと言われる

出物を主に使用します。

他には乾燥機に積もったり、機械や床を掃除した際に集めた部分などあらゆるものを余すことなく使用します。

 

 

 

お茶で染めた色。

 

 

軽量した茶葉をさらしの布袋に入れ、

寸胴で沸かし染液を作ります。

作った染液の中に染めたいものを入れて加熱し、

その後、火を止め一晩かけて温度を下げていきます。

この時点では薄いベージュのような色がつきます。

 

 

 

渋みのあるグレーへ。

 

 

 

 お茶染めWashizu.では同浴を採用しています。

一晩おいた染液の中に無添加の木酢酸鉄液を添加し、

生地と一緒に加熱していきます。

ここで初めてベージュからグレーへと生まれ変わります。

 

 

手で彫るからこそ。

 

 

 染めたものに柄を入れるために型紙を作成します。

手の加減を活かし有機的な曲線やシャープな直線などを

彫り分けています。

 

 

駿河和染の技術を応用した柄入れ。

 

 

 

彫った型紙を使用した型染めで柄を入れていきます。

抜染と呼ばれる技法で、お茶と木酢酸鉄液でグレーに染めた

生地にチタン媒染糊を置いていきます。

乾燥後は蒸して熱を加えていきます。

 

 

柄が浮き上がる瞬間。

 

 

糊を落とす作業です。

これまで積み重ねてきた作業結果がわかる瞬間でもあります。

チタン媒染糊の成分が地色を汚染しないように、

手早く糊を洗い流し、乾燥させて完成です。

 

 

循環する染め物。

 

 

 

染料として煮出した後の茶殻は堆肥へ加工し、

畑へと循環していきます。

現在は、匠宿施設内にある静岡醸造のモルト粕と合わせて

茶殻を堆肥にしています。

お茶染めWashizu.の活動


茶農家への還元

 

お茶の出物を染料として使用するだけは、茶業界に対してメリットを十分に還元できているとは言えません。

耕作放棄地や植替えの時期を迎えた茶畑のお茶の木をオブジェとして流通させていく試みをはじめ、茶畑を静岡最大の資源と捉え、飲用以外の付加価値を与える活動を進めています。

RE DYE

 

色褪せや好みの変化により、着れなくなってしまったお気に入りの服を染め直すことで新たな命を吹き込みます。